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2023.7第79号

[2023.07.13]

  先日、参加したこどもの心研修会での講演内容をお伝えします。
演者は京都大学の教育学研究の先生です。結論からいうと、コロナ禍での「密・接触」を避ける生活様式は、ヒトの脳と心の発達にはよろしくないということです。もちろん、オンラインで仕事や勉強ができるようになり、便利になり良かった点もあります。しかし、脳が変化していく特別な時期=脳発達の感受性期である乳幼児期は、環境の影響を強く受けます。特に、脳の視覚野と聴覚野は生後数ヶ月〜小学生の頃までの早い時期に成熟していくので、この時期の声かけ、微笑みは大切。赤ちゃんも、目だけでなく、相手の顔の動く表情全体(口元を含む)を見て、その人の感情を理解する能力を身につけていき、共感し、言葉を学んでいく。つまり、マスクをしている顔では、これらが充分に行えないということです。また、赤ちゃんが抱っこされ、授乳されたり、撫でられたりして、体が触れ合うことによって生じる心地よい感覚も、脳と心の発達にとって大切ということでした。
 (この先生の著書:明和政子「マスク社会が危ない」)
 コロナ5類となったのですが、まだまだコロナは普通の風邪ではないから油断しないようにという発言が時々あります。しかし、上記のお話にもあるように、私は長期的な子供の成長を考えると、そして外を歩いている大人のヒトのマスク姿を見ると、こども達の成長のために、よっぽど密になる場面以外では、元気な大人たちはもう少し積極的にマスクを外して欲しいと強く、思います。散歩中、混雑していない電車の中はもちろん、学校、園でも外していきませんか?見知らぬ人の表情でも、こども達はよく見ています。ご自分のお子さんのためだけでなく、お子さんが将来、関わっていく社会全体が心豊かな社会になるように。また、思春期の子ども達の密に接する機会もコロナ前にすっかり戻しませんか?最近、増えている不登校の理由として、一番は「特に理由はない、なんとなくつまらない」ことだそうです。当院を受診するお子さんの中からも、同様の訴えを聞く事がよくあり、今、不登校傾向にあるお子さんが増えています。そりゃ、そうです、私も学校は友達との休み時間のふざけ合いや、給食の時間、もちろん遠足や運動会の行事が楽しみで行っていましたから。皆さんもそうじゃなかったですか?

 

~感染症情報~   地域で流行している感染症をお知らせします

有名な下記の感染症以外でも、普通の風邪でも咳がひどくなり、熱が長引いたりするケースがとても多いです。現在、そのような風邪が重症化したお子さんで、どこの小児病棟も満床の状態が続き、なかなか入院はできません。罹ったら水分・食事摂取を頑張って乗り切ること、そして、普段から生活リズムを整え、食事・睡眠をしっかり取り、免疫力をつけておく事が大切です。これから夏休みとなりますが、生活リズムが乱れすぎないようにしましょう。

○RS・ヒトメタニューモウィルス感染症

どちらも幼児期まではゼーゼーの呼吸になり、高熱を伴い、ひどくなると呼吸が苦しくなリます。特効薬はなく、気管支を広げる薬を飲んだり、吸入したりします。

○ヘルパンギーナ・手足口病

口の中に小さい水疱ができ、喉がとても痛くなるので、食事が取りにくくなるので、こまめな水分補給が大切です。手足口病は手・足の裏・お尻に水疱ができますが、あまり痒くなく、塗り薬はありません。

 

〜こどもの紫外線対策について〜 看護師より

日焼けは日光の紫外線で起こります。紫外線をたくさん浴びすぎると、
① しわやしみなどの皮膚老化を早める② 将来、皮膚がんや目の病気(白内障、翼状片、網膜のメラノーマ)を起こしやすくなる、ということがわかっています。また、日焼けにより湿疹や乾燥肌が悪化したりします。日焼けをしすぎないようにするには、次のようなことに気をつけましょう。

●時間帯  午前10時から午後2時までに紫外線量が一番強くなります。できるかぎり、その時間帯は長時間戸外で活動することがないように計画を立てましょう。

●衣類  衣類は、紫外線を反射しやすい白か淡い色のものを着せましょう。紫外線防止効果のある繊維でできた衣類も売られています。

●サンスクリーン(日焼け止め) ベビー用や子供用として販売されているものを購入してください。低刺激性と書いてあるものを選び、日常の生活ではSPF15~20、PA++、海や山ではSPF20~40、PA++~+++を目安にしましょう。汗や水で落ちにくい、ウォータープルーフの製品であればなお効果的です。あまりうすく延ばしてつけると効果が低いので、図のような量とつけ方を参考にしてください。使用後は早めにきちんと洗い落としておくことも大切です。普通のボディーソープで落とせるものがほとんどです。

 日本小児皮膚科学会より抜粋

また、猛暑の時期は、いくら日焼け止めを塗ったからといって、暑い中、特に小さいお子さんは炎天下で長時間過ごすと、熱中症の危険が大ですので要注意です

 

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