2025.7第91号
小児科学会での講演で印象に残った思春期の心の発達について、お話します。思春期のお子さんへの対応は難しいことが多いですが、その前の発達段階での対応も大切とのお話です。
心理学者のエリクソンが提唱した発達段階理論では、人間が生涯、経験する課題や困難、課題を克服した時に得られる力が乳児期から老年期に分けて、示されています。特に、今回は、乳児期と学童期の大切さについて、強調していました。
乳児期の基本的信頼感の成立は重要で、赤ちゃんが不快に感じたことが親によって解消されるという信頼関係が成立しないと、不信感が芽生え、将来、情緒の発達に影響する恐れがあります。この時期の信頼関係とは、赤ちゃんが泣いた時、声を出した時に、親や親的な養育者が愛情を持って、反応してあげる、抱っこしてあげる、声をかけてあげることです。
そして、学童期(6〜13歳ごろ)の発達課題は、色々な課題に取り組み、勤勉性を育むことです。親、先生などは必要があれば、サポートしてあげて、ちょっとでもできたら認めて、ほめてあげます。もし失敗した時は責めるのではなく、チャレンジした学びの機会と考えます。この時期に、ある程度頑張る、失敗を恐れず、チャレンジすることが大切。また、失敗した時に周囲が厳しく批判すると、子どもの自信を失わせ、劣等感が強くなり、チャレンジする意欲を失ってしまいます。そして、次の青年期(思春期)では、子どものストレスを跳ね返せる力を信じましょう。基本は親の保護から離れ、自立への時期で、親の方も少し離れて、子どもに主体性、責任を持たせることが求められます。これは、子どもが親に信頼されていると感じることにつながります。
と言っても、このように対応してきたけど、しているけど、なかなか実際は難しい局面も多いのが現実です。ただ、子どもの権利条約(コルチャックという人が提唱)の一つに、「自分の意見を述べ、重視される権利」があるということを頭の片隅に置いておければと思いました。親子げんかになった時は、ちょっと離れてお互い、クールダウンする時間を持ってみましょう。小さいお子さんの場合、預かってくれる人がいなければ、保育園の一時預かりなどの利用をお勧めします。
~感染症情報~ 地域で流行している感染症をお知らせします
◯ウイルス性胃腸炎
引き続き、多く見られます。ノロ、ロタ以外のウイルスのようです。今はとても暑い時期なので、なおさら水分補給がとても大切になります。食欲がない時でも下痢、嘔吐で失われた塩分、糖分、水分を補うために、こまめにイオン飲料を摂るようにしましょう。
※のどが痛くなる風邪も流行しています。コロナ以外のウイルスによるものがほとんどのようです。アデノウィルスも少し見られます。
~こどもの紫外線対策~ 看護師より
今回紫外線対策について看護部よりお伝えします。
こどもは皮膚が薄く、大人より紫外線のダメージを受けやすいです。適切な方法で対策をしていきましょう。
ただし、カルシウムの吸収を助けるビタミンDは日光の作用により皮膚で作られます。カルシウムは子どもの骨作りに欠かせませんので、適度な外気浴・外遊びを行い、全身を覆う衣服や過度の日焼け止めの使用は控えましょう。
時間帯:紫外線量は午前10時から午後2時までがピークになります。屋外活動をする場合は、その時間を避けて朝夕をおすすめします。
炎天下に長時間いると、日焼けというより暑さでぐったりしてしまうのでやめましょう。
場所:日陰を選んで遊ばせましょう。
衣類:つばの広い帽子をかぶせましょう。(7センチのつばで6割紫外線を防げるそうです)服は、紫外線を反射しやすい白か淡い色がおすすめです。
日焼け止め:低刺激と書いてあるもの選び、日常生活ではSPF20以下、PA++、海や山ではSPF20~40、PA++~+++を目安にしましょう。薄くのばしてつけても効果が低いので図のようなつけ方を参考にしてください。
日焼け止めが肌に馴染むまでに20分ほどかかります。汗で落ちやすいので2~3時間毎の塗り直しも必要ですが、使用後は早めに洗い落すこともお肌にとって大切です!
★よくある質問
Q.塗り薬や虫よけと一緒に使うときはどうすればいい?
A.塗り薬→日焼け止め→虫よけの順で使いましょう。
