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オミクロン株について・小児コロナワクチン接種について

[2022.02.25]

 まず、かえで便りの発行が遅れてしまったことお詫びします。そして、2月3月合併号とさせてください。コロナ検査結果の保健所への報告、感染された方への健康確認のお電話などなどで、診療時間外の業務が増えていて、私のキャパの無さゆえ、作成ができませんでした。すみません!!
 そして、今回はコロナに関しての話題を二つです。

1,オミクロン株の症状、検査について

 オミクロン株についても、今までの新型コロナと同様、小児はほとんどが軽症ですんでいます。そして、他ののど風邪と区別はつきにくいです。のどの痛みがあることが多いですが、咳、鼻水は軽度か、全くないこともあります。熱の程度は様々で、時々高熱でぐったりすることもありますが、1~3日程度で解熱します。経過中に下痢を伴う例も少しあります。まだオミクロン株の流行の初期であった1月初旬は、濃厚接触者と判断されたお子さんはほぼ全例、PCR検査をしていましたが、陽性でも、無症状だったり、熱はないこともあり、軽い風邪症状の例がほとんどでした。インフルエンザのように、高熱が持続することはなく、咳が後半、ひどくなることはなく、熱性けいれんや熱せん妄(熱でうなされて異常行動が起きる)も少なく、私の印象としてはインフルエンザよりはだいぶ軽く済むと感じています。インフルエンザなどでは喘息があるお子さんは発作が起きやすいということもありますが、コロナではほとんどなく、小児では喘息は重症化のリスクファクターにはなっていません。

 そして、感染者数がとても多くなった現在、発熱や風邪症状のあるお子さん全員に検査をすることは、申しわけないですが不可能です。最初は軽症でも経過中に重症化しやすいといわれている、高齢者や基礎疾患のある大人の方は、検査する意義はありますが、上記のようにほとんどが軽症で済む小児の場合、全例に必須ではないと考えます。また、学校、園での感染の拡大を少なくするためには、陽性者の特定は行えればよいに越したことはありませんが、できないのが現状です。ですから、熱が無くても喉が痛い、鼻水が多いという症状があれば、普段よりはしっかりお休みしていただくことが集団生活での感染を広げないために、大切となります。したがって、同居高齢者、基礎疾患のあるご家族がいるお子さん、基礎疾患がある、高熱で元気がないお子さんの検査を優先して行っていますので、ご了承ください。また、抗原検査、PCR検査とも、症状が出て初期ですと陰性になることもありますので、比較的元気であれば、症状出現後、1日待っての検査をお勧めします。また、親御さんの会社から、陰性を証明するために少しでもお子さんに症状があれば検査を指示されたというお話も沢山聞きますが、陰性証明のための検査は行えません。また、濃厚接触者と認定されていても、症状がなければ検査は行う必要はないと考えます。濃厚接触者となれば、検査の結果にかかわらず、最低7日間は自宅療養となります。その間、発症した場合は療養期間が延長されます。また、家族が陽性だった場合、自宅療養期間中に発症すれば、検査しないでもほぼコロナでしょうということになり、検査は絶対ではありません。
 今、一番大切なこと、お願いしたいことは
 ①大人も子供も少しでも風邪症状があれば、重症化しやすい高齢なおじいちゃん、おばあちゃんとの会食などの密接な状況は控えていただくこと、
 ②大人は3回目の接種をしていただくこと(もちろん1回も接種していない方は今からでも)
 ③大人数での会食は控えること   です!!

2,5~11歳小児へのワクチン接種について

現在、小児で承認されているワクチンはファイザー社製のみで、下記のデータはすべて海外からの報告です。

①発症予防効果について(メリット)

90%以上ですが、オミクロン株についてのデータはまだ十分ではありません。重症化予防効果については、5~11歳の患者では重症化率はとても少ないため、データは得られていないようです。
 ②副反応について(デメリット)
発熱は1回目接種後7.9%、2回目接種後13.4%。接種部位の痛み、倦怠感、頭痛もほとんどが軽症で済んでいます。12歳~15歳における副反応の発現割合より低かったとの報告もあります。若い男性に多いとされている心筋炎も、12歳以上の男性よりかなり少ないです(100万回のうち、12~15歳:46例、16~17歳:70例、5~11歳:4例)。心筋炎の全例が回復していると報告されています。

ワクチンは、かかると重症化しやすい病気を予防することが最大のメリットなので、上記の報告からはメリットがとてもあるということではないので、健康なお子さんに絶対勧めます!という状況では現時点ではありません。日本小児科学会は、子供をコロナから守るためには、まずは周囲の大人の接種を進めることとしており、同感です。オミクロン株になり、子ども同士での感染が増えていることは事実ですが、大人の方が子どもより行動範囲が広く、感染を広げやすいことは変わりなく、第7波を起こさないためにも、大人は3回目接種をお願いします!!(第6波を最初に広げたのは大人です)。また、デルタ株でもオミクロン株でも、子どもより大人の方が症状のひどいことが多いので、接種しておいた方がいいです。

 基礎疾患のあるお子さんは、コロナにかかって重症化する可能性があるので、接種をお勧めします。また、同居しているご家族に基礎疾患がある(ご兄弟含む)、高齢者がいるお子さんは、接種をお勧めします。
 小児科学会や厚労省、こびナビのHPも参照してください。

当院での5~11歳のワクチン接種の予約は3/2(水)からWebで開始します。申し訳ありませんが、現在、一般診察時間の混雑などの理由から、接種可能人数がかなり少ない状況となっています。三鷹市の集団接種も是非、ご利用ください(三鷹市医師会の小児科医が中心となって接種します)。

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