2024.3第83号
この時期、特に入園、入学を控えたお子さんのいる家庭ではワクワク、ドキドキ、楽しみな時期ですね。保育園では、お昼寝の時間がなくなりますよね。当院を受診するお子さんの中でも、小学生になるんだ〜♪という楽しみな気持ちが見える子もいれば、ちょっと不安げな子の方が多いでしょうか?そりゃ、そうですよね。大人だって、職場が変わる時、自分で希望して選んだ勤務先でも不安ですから、よく考えてみれば子ども達は自分で選んだ場所ではないところに行くわけなので、なおさら不安なのは自然なこと。そういう時に、時々現れる症状に、心因性頻尿やチック(咳払い、まばたきなど)があります。これは気持ちを落ち着かせるためにやっていることなので、周りの大人は気になってしまいますが、気にし過ぎて「やめなさい」と言わずに、見守りましょう。癖のようなものなので。
お子さんに、このような社会的な環境変化がある時期に親御さん達にしていただきたいのは、他の環境変化を無理に追加しないことかと思います。例えば、子どもが望んでいないのに、進級するから、もう少し頑張って欲しいからと、新しく習い事を増やすとか、です。最近、習い事が沢山で、疲れている、元気がない、さらには頭痛、腹痛がでてきているお子さんが結構いると感じています。習い事のために睡眠時間が少なくなる→朝起きられなくなって朝ご飯をしっかり食べられない→学校行く元気がなくなってしまう、というパターンがよくあります。大人でも週の半分以上、習い事が入っていたら疲れますよね?お父さん、お母さんは自分に置き換えて考えてみてください。誰でも、自分の好きな場所で、ぼーっとする時間って大切ではないでしょうか?
追伸:小学1年生になるお子さんは、麻疹風疹ワクチンの接種を忘れずに!最近、ヨーロッパや東南アジアで麻疹(はしか)が流行してしまっています。コロナ禍でワクチン接種率が低下したことが原因といわれています。海外からの旅行者も多いことと、最近の日本での予防接種率の低下もあり、日本でも流行してしまう可能性があります(現在、予防接種率が流行阻止に必要な95%に満たない状況になっています)。はしかには特効薬はありません!!
~感染症情報~ 地域で流行している感染症をお知らせします
○溶連菌感染症
引き続き、流行が続いています。最近ではインフルエンザより多く見られます。また、何回も罹患しているケースも多いです。現在、抗生物質が効かない溶連菌はいないのですが、流行が続いていることと、型が沢山あるので、何回もかかってしまいます。
○インフルエンザB
小流行が続いています。
○ウイルス性胃腸炎
ノロ、ロタウイルス以外のウイルスによるもののようです。
〜おすすめの絵本 スタッフお勧めです♪〜
うさぎのくれたバレーシューズ 安房直子 文 南塚直子 絵
バレエを習い始めて5年も経つのに、女の子は踊りが上手になりません。うまくなるように、月にも星にも、遠い山にもお願いを繰り返しました。するとある朝、ふしぎな小包が女の子のところに届きました。そっと包みをあけてみると、さくら色のバレエシューズが転がり出てきました。早速そのバレエシューズを履いてみると、山のほうから誰かが呼んでいる気がします。女の子は駆け出し、山の道をどこまでも登って行きました。するとそこには…。
さくら色がとてもきれいで、目と心で春を感じられる1冊です。
ますだくんのランドセル 武田美穂 作・絵
ますだくんは、小学校に入学する1年前、小学校を卒業したお姉ちゃんから赤いランドセル
をもらいました。翌年、自分の入学式に意気揚々と赤いランドセルを背負っていったますだくんは、下駄箱の側でお母さんに「学校恐いよ」と泣いている女の子に出会いました。そこでのますだくんの優しさをこれから小学校入学するお子さまと読んでほしい一冊です。