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2020.12第57号

[2020.12.18]

 先日WEB開催で行われた小児感染症学会でのいくつかの報告をお伝えします。
○コロナウイルス感染症
1、国内での小児例の特徴
 ①第1波(休校措置中)、第2波の期間を通して、77%が家族からの感染(最多は父親から)で、学校関係者からの感染は5%。すなわち、学校が再開された前後で、この割合は変わらなかったので、小児の感染予防策では家族による家庭内への持ち込み防止が大切。
 ②ICU管理が必要だった例は0.4%。87%は無治療で自然軽快、死亡報告はなし。
 ③以上より、重症になるリスクと、教育機会・友人関係の確保、長期在宅によるストレス回避のベネフィットを比較すると、登校・登園を維持することは妥当。
2、偏見・差別対策
 ①富山市の小学生の感染が判明した時に、学校名、生徒の性別・年齢など詳しく報道され、個人が特定されてしまい、偏見、差別が懸念された。その後、学校でクラスターとなり、学校側が謝罪。しかし、感染症専門の病院でもクラスターは起きてしまっているので、学校でクラスターが起きたとしても、学校の責任ではなく、謝罪する必要はない。いずれの生徒も無症状で軽快した。
 ②学校、保護者への講演会を数回行い、報道機関へも話をし、過剰感染対策の防止として下記を伝えた。
 ・マスクをしていればフェイスシールド、机に設置するボードは必要ない。
 ・マスク着用による熱中症に注意。体育、登下校時のマスク着用は推奨しない。
 ・屋外での活動は再開。うがい、歯磨きも可。
 ・運動会OK。合唱の際は、注意点を守れば禁止としない。
以上としたが、その後、子どもの感染者数はとても少ない状況。
 ③数年前の新型インフルエンザ流行時の国内での小児の死亡例は41例。現在までの新型コロナによる小児の死亡例は0例であり、小児ではインフルエンザの方が新型コロナより重症化する。よって、現在、小児に関しては、医学的な問題より社会的な問題で被害を受けている状況。
3、各地域からの小児報告例
 ①濃厚接触歴ありのうち、20%がPCR陽性。そのうち、61%に症状あり。最高体温37~38度台、2日程度の発熱で、咳がひどいということはなかった。
 ②11例中10例が家族内感染。発熱がありは65%、発熱期間は二日間。鼻水・咳ありは30%、他に下痢、頭痛、全身倦怠感の症状あり。20%は無症状。酸素飽和度低下例はなく、酸素投与必要な例なし、輸液必要な例なし。
 ②両親がPCR陽性で入院した3家族の子どもで無症状か、PCR陰性だった場合は、高齢の祖父母が養育したが、子どもからの感染はなかった。成人(父母)から祖父母への感染はみられた。

~感染症情報~

○溶連菌感染症  流行が続いています

 保育園、幼稚園、小学生まで、幅広い年代にわたり流行が続いています。溶連菌も色々な型があるのですが、今流行している型は、胃腸症状を合併しやすいようで、喉の痛みは軽くても、嘔吐、下痢の症状が強いことが多いです。

○ノロウイルス胃腸炎

 一部の保育園で少し流行がみられます。他のウイルス性胃腸炎より、嘔吐、下痢の症状が激しい場合があり、特に小さいお子さんは脱水症状になりやすいので、嘔吐や水様便が続いている場合は、早めに受診してください。脱水症状がひどい場合には、病院での点滴が必要になる場合があります。
※溶連菌、ノロウイルス以外でも、嘔吐、下痢の症状がある時、食欲のない時に大切なことはイオン飲料によるこまめな水分補給です。イオン飲料が嫌いな場合、お茶、水のみでは塩分・糖分が足りなくなるので、ポカリスエットやリンゴジュース、スープ、みそ汁でも構いません。嘔吐がなく、食欲がある場合は食事をやめる必要はなく、消化の良い食事なら大丈夫です。

~ホームケアアドバイス   看護師より

子どもの手荒れ
 
最近、手荒れの症状で受診する子どもたちが増えています。手荒れとは、手の保湿機能が無くなることで、角層が固くなってガサガサになった状態です。
 
特に、冬場は空気が乾燥しているので肌(皮膚)が乾いて荒れしまいます。そこへ、今回、コロナ対策による頻繁なアルコール消毒や手洗いなどが、手に必要な皮脂までそぎ落としてしまい、手荒れがさらに進行していると思われます。
 外出先でのアルコール消毒は必要最低限にして、帰宅した際に、石けんでしっかりと手を洗います。石けん成分の洗い残しがないようによく洗い流してあげましょう。お湯の温度は人肌程度から水をおすすめしています。できれば、1日に数回程度はワセリンやプロペトなどの保湿クリームを使用して、手を保湿してあげることも大切です。小さいお子さんは、よく手を使うので手に軟膏を塗るのを嫌がることも多いですが、寝る前だけでもしっかり軟膏を塗ってあげましょう。指しゃぶりをするお子さんでも、ワセリンなどは少々口に入る程度は問題ありません。
 それでも症状が改善されない場合は受診をおすすめします。長時間マスクをしていることにより、耳の後ろが赤く荒れている子もいます。耳の後ろの保湿もお忘れないように!

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