2022.11第75号
今月、開催された小児感染症学会から、新型コロナウイルス感染症に関する最新情報をお伝えします。
1,感染経路
オミクロン株となり、感染経路不明の症例が増加した。オミクロン株以前は(デルタ株など)、家族内(特に親→子)の感染が70%だったが、オミクロン株になり家族内感染は5割弱となっている。子どもの3割弱がコロナに罹患済となっており、コロナは子どもの風邪の位置づけになっている。
2,症状
オミクロン株は、子どもでは、発熱80%、熱性けいれん10%、喉の痛み60%、悪心・嘔吐15%と、以前の株より増加している。又、入院する例の半数は基礎疾患がなく、入院例のうち、乳幼児+小学生の7割が中等症~重症例で、そのうち3分の1が脳症、気管支炎~肺炎。酸素投与が必要となる例が3分の2あり。集中治療室に入室した例の70%はワクチン未接種。2022年7月~感染者数の増加に伴い、小児の死亡数も増加し、約半数が5歳未満、9割が12歳未満。子どもの死亡例の半数は基礎疾患なしで、死因の5割が心筋炎、不整脈、急性脳症。発症してから死亡まで、平均4日で、元気な子が突然悪化することもあり。死亡例の93%がワクチン未接種。致死率は、0~9歳ではインフルエンザよりは低く、10~29歳ではインフルエンザと同程度(2022年4月までのデータ)。
3,ワクチン・5~11歳用ワクチン:抗原量は大人用のワクチンの3分の1ゆえ、発熱などの副作用の頻度は少なくなっている。しかし、発症予防効果は90%と高い。成人男性での重
篤な副作用として有名になった心筋炎の頻度は、男子でもまれ。
・6か月~4歳用ワクチン:発症予防効果は73%。接種後の発熱は5~7%で、接種していない子どもの発熱率と同程度(子どもは風邪などでよく発熱するので)。
以上より+また最近、感染者数が増えていることをふまえ、私の意見として、、、
第8波のピークを少しでも抑えるために、大人も子どももワクチンを早めに接種して欲しいです。オミクロン株となっても、未だにインフルエンザよりは重症化率は低く、ほとんどのお子さんがのど風邪で終わります。しかし、今後、さらに感染者数が増えると、重症化する患者さんの数も必然的に増えます。重症化しないためにも、予防効果が高く(インフルエンザワクチンより効果あり!)、子どもでは副作用の少ないワクチンゆえ、お勧めします。そして、それより大切なのは大人も3回目、4回目接種をすることです!流行の初めの今は、やはり親から子どもへの感染が多いです。また、子どもは最初高熱で、ぐったりしても2~3日でけろっとすることが多いですが、大人の方は、だらだらと激しい喉の痛みや咳が続いたりするケースが多く、後遺症もあります。2回接種ではもう、不充分な印象です。コロナワクチンが無料で接種できるのは年内中で、来年からはお金がかかる見込みと政府が発表しています。with コロナの継続=皆の生活(特に子どもの生活!)が制限されないように、皆さん、よろしくお願いします。日本小児科学会HP、参照してください。
~感染症情報~ 地域で流行している感染症をお知らせします
〇新型コロナ
全年齢でまた徐々に、増加しています。
〇RSウイルス感染症
夏から流行が続いていましたが、まだ少しみられます。普段、胸の音がぜーぜーしないお子さんもぜーぜーがひどくなります。
〇ウイルス性胃腸炎
ロタ、ノロウイルス以外のウイルスによるもののようです。
〇アデノウイルス感染症
のどが赤くなると高熱が続くこともありますが、のどは赤くならず、ひどい目やに、眼の充血のみの場合もあり(いわゆるはやり目)、その場合は熱はでません。
※インフルエンザはまだ流行していません。
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日時:2022年11月24日(木)14:10~15:10 先着順とさせていただきます。 |